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No Side History
第18話:静かなるガッツポーズ
この頃、地域担当の方とともに2週に1度ぐらいのペースで数人のお仲間と颯爽とご来店されては角ハイボールと白州、山崎を飲んで帰られる方がおられました。
イケメンでシュッとしたスーツ姿のその方はいつもご挨拶だけされて、帰られました。
その方の存在はもちろん、キャリアやご職業をよく知っていた僕は何故、頻繁にお店に来られているかも理解していましたので、 いつお仕事のお話、例の件についてお話しされるのか、来られるたびにどこか及び腰で接していました。
しかし、一ヶ月経っても二ヶ月経っても例の件についてのお話はされませんでした。
来られてはいつものように角ハイや白州を飲まれて、ご挨拶されて帰る。
そんなお姿に、ご来店された折はいつの間にか僕から声をかけさせて頂くようになっていました。
間違いなくその件で来られているのに、いつかその件を僕に話したいはずなのにいつもただお酒をたくさん飲んでは手厚いご挨拶とともにお帰りになる。
恐らく、その潔い姿に心を打たれたのだと思います。
そして外を歩くだけで汗ばむようになった季節。
未だその件でお話をされないままのある日。
その方の無言の男意気に打たれ、言わば根負けしたような形で気がついたら言葉にしていました。
「プレモル一本でいかせて頂きます!」
ラグビーバーである以上、いつか生ビールをサントリーさんのビール一本にするのはオープン時から決めていたこと。
ですが、オープン当初の御恩もあって、その入換時期については頭を悩ませていたんです。
が、その方のおかげで自然と決意が生まれました。
その旨を伝えた瞬間、その方が笑顔で静かにガッツポーズをされながら喜ばれる姿を見て、僕も嬉しくなり、胸がとても熱くなったのをよく覚えています。
ノーサイドクラブの「顔」を変えました。
その「顔」を変えたイケメンでシュッとしたスーツ姿。
その方こそが、先般、ゼネラルマネージャーとしてチームを幾度となく優勝に導いた元ラグビー日本代表/サントリーサンゴリアス、 ワインレッドの段柄ジャージを身に纏い、ライン側を快走した大型ウィング、尾関弘樹さんでした。
尾関さん、水戸部さん、その節は本当にありがとうございました。
あの時があったから今、たくさんのラグビーファンの皆様とともに"神泡"を美味しく楽しませて頂いています!
超樽生達人店の 名に恥じぬよう、スタッフ一同頑張りますのでこれからも末永くよろしくお願いします!
(明日へ続きます)
★from 容子
「すごく通ってくれた尾関さんと水戸部さん。
気持ちいいくらいにスッと飲まれてってが何回続いたのかな…よく来てくださって。
お店終わってからマスターと「いつビールの事言われるのかな?」って話してたけど全然なく。
ある日の営業後に変えるって言おうって話して、1番テーブルでそれを伝えるマスターの事もなんか鮮明に覚えてる。
それまでもだけど、そこからさらに美味しく飲んでもらう為にマスターががんばってコツコツ努力を重ね今や超樽生達人店に。
うちの神泡はお店の誇りです!
まだ神泡未体験の方にノーサイドクラブの神泡を是非飲んでほしいな。」