高田馬場にあるラグビーダイナー「ノーサイドクラブ」

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Noside History

「第十一話:オーバーヒート」

それはいよいよ迎えた決勝の大一番「NZvsフランス」戦でのことでした。
ワールドカップのフィナーレを飾るに相応しい好カードを前に当然店内は期間中一番の大入り!!

フロアのそこかしこでは漆黒ファンとトリコロールファンが母国愛、ラグビー愛、そしてお酒でと様々な分野でガチンコ対決!

試合前からその異常な雰囲気と尋常ではないビールの消費量に少し不安を覚えていたのですが…
やはりワールドカップ最後の試合ということもあり、生ビールの樽が次から次へと無くなる無くなる!!

僕達スタッフは一瞬すらもテレビを見れないほど生ビール注出と生樽の追加注文に追われているうちに...


「ピーッ!!」

気がついたらテレビからノーサイドの笛。

Kiwiがle coqを地に跪かせた瞬間、店内中のNZファンから「C'mon Draft Beer!!!」の大合唱が(笑)!!!

その盛り上がりに水を刺さないよう、サーバーをフル回転させながら生ビールを注いでいると...

途中から出てくるのは何故か泡ばかり。

急に黄色のビールがほとんど出てこなくなったのです!!!!

しかもその泡も全く冷えていない温い泡。
意味も原因も分からず、どうにかしようと試行錯誤していると泡すらもいよいよ出が悪くなり…

ついには「シューッ、シューッ」といいながら、何も出ない状態になってしまいました。

まだお店を始めてわずか二ヶ月。


トラブルの原因はもちろん、解決策など到底分かるわけもなく、急いでカスタマーセンターへ電話するも休日でお休み。

お店、しかも決勝でビールが無くなるなんてあり得ない…


またもや万事休す。最後の最後にしてまたもや青ざめた瞬間でした。

どう考えてもビールだけは売り切れにするわけにはいかないので近くの酒屋さんで瓶ビールを買い占めるしかない!という結論へ。

ただ、24年ぶりの優勝に沸き、大爆発中のKiwi達へその旨をどうやって伝えるかどうかを悩んでいたら…


スッとカウンターに一人の大男が。見上げると、お店オープンからずっとラグビーを観に来てくれていた初めての外国人の常連さん、190cmのイケメンJoel(写真で瓶ビールを立って飲んでいる方です!)が

「マスター、何かありました?」と。
恐らく半ベソかいていた僕を見て心配してくれたんでしょう(笑)

すぐさま事情を伝えると「O.K.!僕がみんなに伝えて瓶ビールを買ってくるまで待ってもらうことと、その後も瓶ビールしかないことを了承してもらいますよ!」と爽やかに立ち去り、流暢な(当たり前です笑)英語で店内のKiwi達へ説明、何とか暴動(笑)を避けることが出来たのでありました。


週明け、業者に来てもらい、サーバーを見て頂いたら、生ビールの供給量とサーバーの稼働量がそのビールサーバーの持つスペックと許容範囲を完全に超えてしまいヒートアップ、あまりのビール注出量に壊れる寸前まで至ってしまっていたとのこと。

ビールがサーバーの中で瞬間冷却されていることやサーバーには許容量があり、暑い空間でその許容量を超える量のビールを注いでしまうとビールを冷却する氷や水が温くなってしまい、ビールが出なくなってしまうことなどサーバーの仕組みはおろか、ヒートアップすることすら全く知らなかったので事前把握してなかったことへの反省と見通しの甘すぎた自分にただただ辟易しました...


ラグビーの試合でもそうですが、敗戦/失敗で学んだことはそう簡単には忘れず、血や肉となって体に染み付きますよね。
夢のような光景とたくさんの感動体験、そして数々の失敗を経験させてくれた2011年ラグビーワールドカップ。

ノーサイドクラブにとって初めて尽くしの世界ラグビー最大の祭典は数多くの教訓と戒めをもたらしてくれながら、まさに嵐の如く、過ぎ去っていったのでありました...

(明日へ続きます)


★Message from 容子
「この日はすごかった…
ピッチャーでビールをイッキする外国の方々。
生ビールが出なくなってあたふた。
店の瓶ビールも全てなくな精魂尽き果てたとんでもなく忙しい1日でした。
こう振り返ると思い出すもんですね…
ほんと何も分からない中手探りでよくがんばってきたなぁって。。
あっ、今日もそんな自分をほめてあげよう!
マスターもよくがんばってる!うん。」

 

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